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第五章 「∼中国人労働者と七三一部隊」

  小中高一貫の徳強学校に通っていた春は、そのまま中学へと進学した。小学校時代、スポーツとその人柄で有名になっていた春は、クラスの体育委員に選ばれた。そして中学へ進学してすぐに、「軍訓」という集団訓練の一環である課外授業にて「東北烈士紀念館」と「七三一部隊旧跡」を訪れた。そこで春は再び「日本人」としての自分に葛藤を覚える。そして、馬志鵬の祖父が過去に七三一部隊の労働者として過酷かつ残虐な労働を強いられていたことを知る。その記録を目にした春は、当時の日本人の言動を信じきることができず、また、あまりにも根深い日中間の歴史の溝に苛まれ、再び馬志鵬との向き合い方を考えるのであった。

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